世の中には凄い人がいます。

新潟県新発田市にあるタンク会社「楠田組」。

石油タンクの設置工事などの人が嫌がる難しい仕事を請け負うことで有名な会社です。そしてもうひとつこの会社が知られているのは少年院あがりの若者を積極的に採用していることです。

この会社のトップ・・・楠田会長。

実はこの方、少年時代はご自身こそが手の付けられぬ不良でした。少年院も経験している名うてのワルだったそうですが、その彼は中学時代の恩師にずっと支えられ懸命に働く事の喜びや尊さに辿り着きました。そして今、少年院を出た若者を自分の会社に招き働く事を通じて更生させているのです。

そんな楠田組の採用面接・・・。

なんと「食事」から始まるのだそうです。

しかもメニューはカツ丼と決まっています。

少年院出所の日。

楠田会長は朝一番に迎えに行きます。

少年院側はいつ迎えに来てもいいルールとなっているのですが、必ず朝一番に行くそうです。そうすると玄関の扉を開けた少年は決まって泣き出すのだそうです。

自分を朝一に迎えに着てくれる人がいる・・・と。
そして採用試験です。

昼食に会社近くの食堂に向かいます。

カツ丼。

目の前の少年が、このカツ丼をがっついて一気に食べるかどうか・・・

ここをじっと見るのだそうです。

こいつは食が太いか細いか・・・。

ここが決め手だそうです。がーっと一気に食べあげたものはその場で「よし採用だ」となるのです。この採用試験に賭ける楠田会長の揺るぎない信念はいったいどこにあるのでしょうか。それは少年たちの「涙」だそうです。

「涙」・・・。

カツ丼をかき込む少年たち・・・

ポロポロと大粒の涙を流すと云います。

泣きながらカツ丼にがっつくそうです。

そんな少年を数えきれないほど見てきている楠田会長はこう断じます。

それは人間の裏の裏まで見つめてきた眼力ある男からしか聞けない珠玉の言葉です。

カツ丼を食い始めて泣いたら 絶対カタギになれる・・・

無我夢中で泣きながら食う奴は絶対に更生できる・・・。

この時の少年たちにとってこのカツ丼の味がいったいどんなものなのか想像できるでしょうか・・・。

年端もいかない少年がポロポロと大粒の涙を流しながら食べるんです・・・。

後悔の涙でしょうか、親不孝を詫びる涙でしょうか・・・。

もう・・・僕、二度と・・・・

そんな誓いの涙なのでしょうか・・・。

楠田会長は「その涙を見抜いてあげることなんだよ」と言います。

自らの数えきれない悪業の末にある・・・今。

実践で叩き上げた人物眼。

この眼力ならではの言葉です。

そして会長はこうも言います。

「薬物をやってきた少年は食が細い」・・・。薬物は本当に厄介なものらしく、染まった事のある少年の体は既にボロボロになっていて厳しい楠田組の仕事には到底耐えられないのだそうです。

そんな事も見抜くためのカツ丼・・・

見事な視点です。

そんな楠田会長がもうひとつ言い切ります。

「僕が今あるのは中学時代の恩師のお陰です。」

手の付けられない不良生徒だった中学時代・・・。

それでも卒業した後も楠田会長を見捨てなかった恩師が居たのです。

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